本当におすすめの名作少女漫画 11選!【50代女性向け】

漫画

 名作として有名だけれど、機会を逃して読んでいない漫画はあるもの。

特に少女漫画界の古典と言われる1970年代からの作品は、非常に数が多いです。

周囲の人と話していても意外と未読、と言う方がいらっしゃいます。

今回は名作漫画の中からおすすめ作品をご紹介したいと思います。

王道 池田理代子『ベルサイユのばら』

 フランス革命前後のベルサイユ宮殿を描いた作品。

マリー・アントワネットという実在の人物と、オスカルやアンドレといった架空の人物が混在します。

そのためフランス革命を宮廷側、市民側の両面から描くことに成功していますね。

オーストリアの作家 シュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネットの生涯』に感動した池田理代子が少女にもわかりやすく、感情移入しやすいストーリーを考えて制作したと言われています。

美しい登場人物、華麗な衣装、波乱万丈な展開でまさに少女漫画の王道。

名シーン・名場面が多い漫画です。

ちょろ
ちょろ

おすすめの楽しみ方は10年くらい間隔をあけて繰り返し読むことです。

もず
もず

年齢によって感じ方が変わりますよ。

 池田理代子が若い時に描いているため、ロベスピエールをやたらと美化している、史実と違う点があるなど瑕瑾(かきん;ちょっとしたキズ)はあるものの時代をこえた名作です。

(シュテファン・ツヴァイクはロべスピエールに対して相当辛辣。なので『ベルばら』の中のロベスピエール評は池田理代子自身のものと思われます。)

作品の中盤、マリー・アントワネットはプチ・トリアノン宮殿に入り浸りのはず。

きっと資料が少なかったのでしょうね。

ほとんど背景が描かれていませんでした。

20年ほど前に出た愛蔵版では口絵写真にプチ・トリアノンの写真が多かったのが印象的。

こういう補い方があるんですね。

ほぼ同時代のフランスを描いた木原敏江の『杖と翼』と読み比べるのも一興。

ちょろ
ちょろ

『ベルサイユのばら』にも登場したサン・ジュストが主人公。その美貌と苛烈な政治活動から「死の天使長」と恐れられました。

萩尾望都 『ポーの一族』はファッションも見どころ

 萩尾望都 不朽の名作『ポーの一族』。

永遠に生き続けるヴァンパイア一族を描いた作品です。

『ベルサイユのばら』同様、宝塚歌劇団の演題になることがありますね。

不老不死の少年たち、愛する者の死、思春期の少年少女の心情を詩的に表現しています。

ちょっと非日常を味わいたいときにおすすめの漫画。

さまよいつづける吸血鬼というテーマが、実はあらゆる時代のファッションを描きたいからという理由から生まれたと知った時には驚きました。

萩尾望都はデザインを学んでいるので、そこから来た欲求なんでしょうね。

たしかに主人公 エドガーや妹 メリー・ベルのファッションも見どころの一つです。

萩尾望都は昔から絵の上手さに定評があります。

私はこのころの絵が一番好きですね。

エドガーとアランがダンスするシーンがあるのですよ。

本当に軽やかにステップを踏んでいるように見えるからすごい。

のびやかな線とタッチが魅力。

ちなみにエドガーとアランの名前、ヴァンパネラ一族の名称ポーはアメリカの詩人で小説家のエドガー・アラン・ポーからとられています。

萩尾望都が好きだと公言していたレイ・ブラッドベリなどに影響を与えた作家です。

実はポーは数奇な人生を送った人で、実父母は彼の幼少期に相次いで他界。

そのため、父親の友人に引き取られました。

「アラン」は養父であるジョン・アランの姓名。

ジョン・アランは裕福な商人で、ポーにイギリス留学をさせるなど恵まれた環境と教育の機会を与えました。

『ポーの一族』のアラン少年が大金持ちの一人息子なのは、こういう史実に根ざしたもの。

萩尾望都の作品はとことん深堀するとおもしろいですよ。

山岸凉子『日出処の天子』一風変わった聖徳太子の半生

 山岸凉子の『日出処の天子』(ひいづるところのてんし)は聖徳太子の半生を大胆な解釈で描いた異色作。

聖徳太子、生前は厩戸皇子(うまやどのおうじ)と呼ばれていました。

厩戸皇子には様々な伝説があります。

一度に10人の請願を聴くことが出来た、予知能力があったなどなど。

歴史とスピリチュアルと人間心理が融合した不思議な漫画ですね。

私の持っている『アールヌーヴォーの世界4 ビアズリーとロンドン』に山岸凉子が寄稿しています。

彼女は幼いころにビアズリーの絵を見て、短大卒業後に画集を購入したそうです。

ご本人の好きな絵はミュシャだったらしいのですが、ビアズリーの影響はありますね。

モノクロ、細くてなめらかな妖しいタッチ、大胆に省略したフォルム。

ストーリーはもちろん、絵を見ていてもおもしろいですよ。

もず
もず

山岸凉子は『日出処の天子』を描いたときには梅原猛の『隠された十字架』を読んでいなかったらしい。ふたりが同じ結論にたどり着いたのがおもしろいです

*最近、山岸凉子の本を読んでいたら『隠された十字架』を執筆前に読んでいたことになっていました。

どちらが正しいんでしょうね。

私が以前読んだ対談では、山岸凉子が聖徳太子の謎について友人に話したところ、梅原猛の本を紹介されたと書いてあったのですが…。

竹宮恵子 『地球へ…』(テラへ…)はスケールが大きいSF

 『風と木の詩』があまりにも有名な竹宮恵子。

近年、人気でドラマにもなったよしながふみ『きのう何食べた?』の登場人物 ジルベール航くんの元ネタにもなっています。

SFも非常に面白いですね。

『地球へ…』の壮大なスケールはすごいです。

私は日渡早紀『ぼくの地球を守って』の後にこの作品を読んだんです。

…先に詠むべきでしたね。

こういう、優れた先行作品があったのだな、と思いました。

地球を見守る男女、長髪の美女、超能力など類似点があります。

作家性の違いから全く別の作品になっているところも興味深い。

アニメ化されているので少しでも興味のある方はそちらからどうぞ。

佐藤史生『死せる王女のための孔雀舞』はセリフがすごい

 硬質な絵柄、斬新なSFで知られる佐藤史生(さとう しお)。

『夢見る惑星』『金星樹』『ワン・ゼロ』のようなスケールの大きな近未来物が有名ですね。

萩尾望都や竹宮恵子のアシスタントをしていたという経歴を持ちます。

代表作はオリジナリティの高い独特な絵柄です。

が、デビュー当時は竹宮恵子そっくりの絵で驚きました。(笑)

天才にも模倣の時期があったんですね〜。

宗教と科学の融合、伝奇小説を思わせる設定の作品を多く残しています。

理知的でクールなイメージ。

私はこの方の作品が大好きですね。

何がいいと言ってセリフ回しが自然。

しかもウィットに富んでいます。

佐藤史生には日本人離れしたセンスがありますね。

『死せる王女のための孔雀舞』は日本の高校生が主人公。

七生子(なおこ)は幼少時代、絵の才能を見込まれ特殊な画塾に通っていた過去を持ちます。

実は出生の秘密がある七生子。

それを特に苦悩して悲劇のヒロインにならず、淡々と生活するさまがいい。

高校生という多感な時期を、自分を見つめながら手探りで進んでいく様子がリアルです。

ちょろ
ちょろ

七生子と母親 絹さんの会話がいいです!

SF作品も先進的で興味深いのですが、一番読み返しているのはこの作品と『打天楽』かも。

木原敏江『夢の碑』シリーズは日本史の勉強にも!

木原敏江というと『摩利と新吾』が有名ですね。

激動の時代を生きたふたりの青年を中心に据えたストーリー。

確かに面白いです。

ですが、私は木原敏江というと『夢の碑』(ゆめのいしぶみ)シリーズですね。

舞台は日本であったり、架空の国であったり。

時代は平安時代から近代まで話によって変化します。

時の流れの移ろいやすさ、人間の強さと弱さ―。

時にユーモアを交えて描かれています。

シリーズ中、「風恋記」は鎌倉時代という少女漫画としては珍しい舞台設定。

高校時代に「夢の碑」シリーズを読んでいた者としては日本史の勉強にもなってありがたかったです。

おかげで源実朝、後醍醐天皇は忘れないという―。

ちょろ
ちょろ

和田の乱、1213年という年号は「風恋記」で覚えたよ。

 木原敏江がよく扱うテーマとして「鬼」があります。

楠桂(くすのきけい)や吾峠呼世晴とは違った成り立ち。

このあたりは作家性が絡んできて興味深いですね。

吉田秋生『吉祥天女』(きっしょうてんにょ)はもっとも完成度が高い!

 吉田秋生というとアニメ化された『BANANA FISH』、実写映画化された『桜の園』や『海街diary』が知名度高いですよね。

しかしながら、全作品中最も完成度が高いのは『吉祥天女』ではないかと思っています。

1983〜1984年に発表された作品。

2006年2007年にドラマ化・映画化されています。

天女の家系(?)に生まれた美女 叶小夜子。

複雑な事情から生家を離れて育ちました。

叶小夜子の家は代々続く大地主。

遺産をめぐる争いが勃発します。

小夜子が戻ってから起きる事件の数々。

 果たして行き着く先は?

作品の基調低音は「女性が女性として生きることの難しさ」。

女性であれば読んでおいて損はない漫画です。

よく、作品に登場する叶小夜子の絵が美女に見えないという人がいます。

いやいやいや…美少女というとまつ毛バサバサ・目が顔の半分を占めるようなわかりやすい描き方をしないのが吉田秋生のクオリティの高さです。

読者が自分の思い描く「壮絶な美少女」をあてはめて読めばいいわけで。

私は好きですね。

吉田秋生の抑えた表現。

映像作品はどっちも駄目でしたね〜。

鈴木杏は頑張っていましたけど。

田村由美『BASARA』(バサラ)は歴史好きにはたまらないおもしろさ

 田村由美がおもしろいというのは聞いていたのですが、実際に手に取ったのは30歳をこえてから。(笑)

絵柄がちょっと苦手だったんですよ。

ですが、読んでみると本当に良かったです。

田村由美は聖書・中国古典や戦記物が好きなのでは?と思いましたね。

少女漫画としては珍しく戦略についての言及が多くて。

ストーリーが骨太で読み応えがあります。

 文明が崩壊した後の日本。

各地で新興勢力が自然発生してきます。

まさに群雄割拠の戦国時代さながら。

ある国で「運命の子」と呼ばれる少年タタラがいました。

彼の双子の妹 更紗(さらさ)は日陰の身。

ですが、持ち前の明るさと精神力ですくすくと成長していました。

ある日、国王の息子 赤の王が更紗の住む村を襲撃。

父と兄を失ってしまいますが―。

過酷な宿命を背負った少女、運命の出会い、苦悩、試練、裏切り、そして助け合える仲間たち。

のめり込める要素が詰まっています。

それが全くあざとく感じないのは田村由美のバランス感覚がなせる技。

吉野朔実『いたいけな瞳』粒ぞろいの短編集

 吉野朔実は『少年は荒野をめざす』が代表作と言われています。

『恋愛的瞬間』『瞳子』なども有名ですね。

心理描写に優れた漫画家で、歌人の穂村弘さんとも親しかったようですね。

日本語を操るプロ同士の交流。

ゾクゾクします。

しっかりとした線、論理的なコマ割り、丹念に描かれた背景。

『ぶ〜け』出身。

男性にもファンが多かったため、のちに青年誌でも連載を持っていました。

『いたいけな瞳』は短編集。

それぞれ独立していて吉野朔実を初めて読む人におすすめできます。

かくいう私 ちょろも学生時代に友人にこの本を借りたのがきっかけではまりました。

思い出深い作品集です。

美しい硬質な絵柄で時々、驚くほど残酷な描写が出来るのがすごい。

『記憶の技法』に収録されている「透明人間の失踪」は怖いですが好きです。

美麗な絵とSFの融合 清水玲子『秘密 ートップシークレットー』

 『月の子 MOON CHILD』『ミルキーウェイ』『輝夜姫』などで有名な清水玲子。

昔から美麗な絵でファンが多い漫画家です。

彼女が1999年から始めた『秘密ートップシークレットー』シリーズ。

 近未来、人間の死後に脳をMRIで読み取り映像を再現する技術が発達します。

変死を遂げたアメリカの大統領、連続殺人犯、目撃者の脳を「捜査」可能に。

果たして見えてきた「真実」とは?

 最初は単発でアメリカが舞台。

現在は主人公が変更され、舞台は日本にしてシリーズが続いています。

脳のMRI捜査を手掛ける科学警察研究所 法医第9研究室 通称「第9」

美貌の警視正 薪 剛 (まき つよし)を中心に、部下の青木、岡部などが捜査に当たります。

設定は近未来ですが、いじめ、差別など社会問題を取り扱うシリアスな作品。

人間の「業」について考えさせられる連作です。

ミステリーとして読んでも耐えうるところが魅力。

映像化されましたね。

原作ファンからすると小柄で華奢、でも優秀な薪警視正の実写化は無理かと…。

よしながふみ『大奥』生きることは本当につらいけれど尊い

BL漫画で有名なよしながふみ。

最近ではゲイカップルの食生活と日常を描いた『きのう何食べた?』がドラマ・映画化。

『西洋骨董洋菓子店』が有名ですね。

『大奥』は2004年から『MELODY』に掲載されていた作品。

江戸時代、赤面疱瘡という原因不明の奇病で男子の人口が大幅に減少。

女性が社会に台頭したという奇抜な設定。

歴史上の人物が男性→女性、女性→男性になっています。

やや奇をてらった内容かと思われますが、そうではありません。

骨太なストーリー、歴史上の人物、偉人の波乱万丈な生涯、愛、葛藤とまさに王道少女漫画。

特に歴代将軍については従来のイメージを踏襲せず、比較的新しい資料をもとに再評価しているところがおもしろいです。

ちょろ
ちょろ

「犬将軍」と呼ばれた綱吉が実は頭脳明晰だったとか。

もず
もず

田沼意次も正当に評価されています。

将軍たちに腹心の部下がいて、それぞれに信頼関係があったり、隠された愛憎劇があったり、

深いです。

涙なしには読めない名作!!

映画化・ドラマ化されましたが、原作には全く及びませんでした。

ぜひ、原作を手に取ってみてください。

 一言で少女漫画といっても様々なジャンル、作風のものがありますね。

日本の漫画界は深くて広いです。

これからもたくさんの名作が生まれるんでしょうね。

わくわくします。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

参考にしていただけるとうれしいです。

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