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ハリウッドの大女優メリル・ストリープ。
彼女が主演し、アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した『ソフィーの選択』。
1982年の映画です。
150分。
監督はアラン・J・パクラ
原題:『SOPHIE’S CHOICE』
原作はウィリアム・スタイロンの同名小説。
日本では新潮社から1983年に出版されています。
単行本・文庫本ともに絶版。
今回はこちらの映画をご紹介したいと思います。
『ソフィーの選択』はAmazon prime videoで視聴できます。
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『ソフィーの選択』のあらすじ
時は1947年。
アメリカの南部から一人の青年がマンハッタンにやってきます。
彼の名はスティンゴ。(ピーター・マクニコル)
作家志望です。
貧しいスティンゴは家賃の高いマンハッタンに住むことはかなわず、ブルックリンで家探し。
戦時中、需要のなかったピンク色のペンキが塗られた家に部屋を借りることにします。
その家にはほかにも間借り人がいます。
美しいポーランド人女性ソフィー(メリル・ストリープ)とネイサン(ケヴィン・クライン)です。
折あしくふたりが大げんかをしているときに居合わせたスティンゴ。
気まずい空気が流れますが、感情の起伏が激しいネイサンはすぐにスティンゴと打ち解けます。
すぐに3人で行動することになります。
ネイサンは上機嫌な時には人当たりのいい気さくな男性。
ですが、感情が爆発した時には手が付けられません。
そんな時、ネイサンはソフィーやスティンゴにさえつらく当たります。
どうして美しいソフィーがこんな仕打ちに甘んじているのだろう?
スティンゴは不思議でなりません。
実はソフィーはアウシュヴィッツ強制収容所にいた経験を持ち、渡米直後の弱っていたところを生物学者であるネイサンに助けられたのです。
ソフィーはネイサンに恩義を感じていたのでした。
ですが、ソフィーとネイサンにはそれぞれ人には言えない過去と秘密があったのです…。
映画『ソフィーの選択』の感想
以下、映画の内容に触れます。
見ていらっしゃらない方、原作を未読の方はご注意をお願いいたします。
アウシュヴィッツ強制収容所から生還した女性ソフィー。
彼女の「嘘」が入れ子型になっていて映画が進むにつれて「真相」がわかってくるところがリアルだと感じました。
ソフィーは最初、自分の父親は反ナチスの学者、母は美しいピアニストだったと語っていました。
ですが、実は父親は反ユダヤ主義の学者。
ソフィーにはつらく当たる完璧主義の父親で、親子仲はあまりうまく行っていませんでした。
若く美しく、教養のあるソフィー。
父親から仕込まれた語学力。
ほんの少しの行き違いで強制収容所送りになりますが、
数か国語をあやつるソフィーは収容所で秘書として働くことになります。
この映画にはこの言葉がでてきませんでしたが、いわゆる「カポー」です。
(収容者でありながら敵側の仕事に就いた人のことをこう呼ぶことがあります)
収容者仲間から「女を利用してラジオを盗んできてほしい」と頼まれるなど複雑な立ち位置。
ドイツ人将校に息子の命乞いをするときには父親の経歴を利用しようとします。
ネイサンといるときにはなされるがままの女性に見えますが、実はタフです。
物語の終盤、実はネイサンは科学者でもなんでもなく精神病患者だとわかります。
これはネイサンと彼の兄が「ソフィーには隠していた」ということなのですが、
実はソフィーは知っていたのではないかと思いますね。
彼女は不可抗力とはいえ、子供をふたり失ってしまいました。
自分を罰するために、躁鬱の激しいネイサンと一緒にいることを選び、罵詈雑言や暴力を受けていたのではと思ってしまいました。
ラストでふたりは心中してしまいますが、それ以外は道がない哀しい魂の話だと感じました。
メリル・ストリープの演技、強制収容所での生活をリアルに見せるための役作り(骸骨のようにやせています)がすばらしい。
『アリーmyラブ』でコミカルな役を演じていたピーター・マクニコルが片思いに苦しむ純情な若者を好演しています。
初々しくほほえましかったです。
古い映画ですが、深いテーマと1980年代にしては抑えた演出で古色蒼然とはなっていません。
メリル・ストリープのはかなげな美しさが印象的な映画です。
家族全員が楽しめるような作品ではありません。
ひとりで、ものを考えたいときには向いている映画だと思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
参考にしていただけるとうれしいです。
『ソフィーの選択』は2023年9月現在、Amazon prime videoで視聴できます。
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