お詫びの手みやげにつけるのし紙は?ギフト販売員が簡単に解説します!【写真付き】

マナー関連

 人間は失敗をする生き物です。

ちょっとした行き違い、かんちがい、連絡や報告の不徹底。

図らずも他人様にご迷惑をかけてしまうことがありますよね。

家庭内や会社内であれば「次回からは気をつけよう」で済みますが、相手が外部の方であればそうはいきません。

謝罪が必要になってきます。

いつの時代でも謝罪は電話やメールですませず、当事者と責任者が先方に伺うのが一般的です。

その際に持参する菓子折りにはどんなのし紙(正式にはかけ紙)をかけたらいいのでしょうか?

表書き(かけ紙の上部 中央に書く言葉)はどうしたらいいのでしょうか?

今回はお詫びの品につけるのし紙について、ギフト販売員が簡単に解説したいと思います。

大切な場面でミスを挽回できるよう、要点をおさえましょう!

最後に、のしと水引について簡単に解説します。

こちらはお時間のある方だけどうぞ。

この記事を読むとこんなことが分かります。

  • お詫びの品物につけるのし紙(正式にはかけ紙)の種類と表書き
  • お詫びの品物に向いているもの、向いていないもの
  • お詫びの品物の渡し方、添える言葉
  • のしと水引の意味
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お詫びの品につけるのし紙と表書きはケースによって変わります!

最初に結論から述べます。

お詫びの品につけるのし紙(かけ紙)と表書きは謝罪の深刻度によって変化します。

表にすると下のようになります。

度合非常に軽度   軽度          中程度    重度
表書き粗品・御挨拶粗品・御挨拶・お詫びお詫び・深謝お詫び・陳謝
のし紙紅白蝶結びのしつき
紅白結び切りのしつき
紅白結び切りのしなし紅白結び切りのしなし
奉書紙・杉紙
奉書紙・杉紙
「お詫び」は「御詫び」でもよい

*水引の数はすべて5本です。

*持参する手土産は代償ではなく、お時間を作っていただいたことへのお礼。

中程度から重度でも「御挨拶」「粗品」の表書きは使えます。

のし紙(かけ紙)には注意してください。

どれに該当するかよく考えて選びましょう。

では、次に具体的なケースを見ていくことにしましょう。

「のし」の有無は難しく感じるかもしれませんが、程度が重くなるほど色がなくなると覚えるといいですよ。

【非常に軽度】

引っ越しの際に音を立てた、軽いリフォームで集合住宅のご近所様にご迷惑をかけたなど

非常に軽度の謝罪の時には紅白5本蝶結び のしつき、紅白5本結び切り のしつきで

表書きは「粗品」もしくは「御挨拶」。

のし紙(かけ紙)を使わず、包装紙のままでもいいですね。

お互い様といえる程度のことだけれど今後の人間関係やビジネスを考えてご挨拶に行く場合がこれにあたります。

社会の潤滑油として行うごあいさつですね。

【軽度】から【中程度】

解体・建設工事や大がかりなリフォームで周囲に騒音や粉じんを出してしまった時など。

この場合は紅白5本結び切り のしなしで表書きは「お詫び」「御詫び」です。

解体工事などはご近所様に余計な掃除の手間をかけたり、耳障り(みみざわり)な音を出したりするもの。

きっちりと「謝罪」の意識を持ってうかがうと好印象ですね。

この場合は下にしっかり会社名や個人名を書くことが多いです。

ギフト販売員として働いていて一番多く扱うのがこのケースですね。

お詫びの品を、とご注文いただく場合の8割以上がこののし紙(かけ紙)です。

なにもせずに済ませる人はいますが、今後のためにご挨拶するのがビジネスパーソン。

【重度】

交通事故を起こして被害者をお見舞いする場合などは水引やのしがついていない奉書紙・杉紙で表書きは「お詫び」「御詫び」。

ことの大きさによっては「深謝」(しんしゃ)→「陳謝」(ちんしゃ)となります。

では、「深謝」と「陳謝」について具体的に見ていきましょう。

現在 出版されている辞典でもっとも詳しく権威があるのは『日本国語大辞典』(小学館)。

以下、抜粋です。

深謝(しんしゃ)

①心から感謝すること。

②ふかく詫びること。ていねいにあやまること。

「陳謝」(ちんしゃ、古くはちんじゃとも。)

事情を述べてわびること。

「深謝」は感謝を示す場合にも使われることがわかりますね。

一方、「陳謝」は事情をしっかりと説明して謝罪すること。

現在、大きな不祥事が起きたとき、責任者がトラブルの原因・経緯について説明します。

重大であればあるほど、説明責任を負いますね。

「深く詫びる」よりも一段、深刻度が上がります。

被害にあった相手は謝罪だけでなく、「どうしてそうなったのか」まで知りたいものです。

記者会見で深々と頭を下げている方々は「陳謝」ですね。

火事の火元になってしまった場合などもこれに当たります。

結び切りとはいえ紅白というおめでたい色を使いたくない場合、奉書紙・杉紙を用います。

自分のしてしまった不始末を厳粛に受け止めていることを示す体裁ですね。

ちなみに奉書紙は「ほうしょがみ」と読みます。

お店やギフトセンターでは「のしなし、水引なしでお願いします」とご注文いただければ

こちらになります。

お詫びの品に向いているもの・向いていないもの

 お詫びの際に持参する菓子折りは、時間をさいて会っていただいたことへのお礼やご挨拶になります。

そのため、落ち着いた色合いの包装紙・リボンを選ぶのが無難です。

また、奇抜な商品名はさけるべきでしょう。

極端に甘い物、辛い物も好みが分かれるのでお詫びの品には向きません。

菓子折りは焼き菓子やおせんべい、おかきなど常温で保存できる日持ちのするものが一番です。

ケーキなどは万が一、先方がお嫌いだった時にお知り合いに配るのも困難。

冷凍庫や冷蔵庫を占領するようなものも配慮に欠けます。

また、いくら自分が好きでも、1種類のものだけが入ったものはNG。

例えば、高級せんべいで有名なえびせんべいの化粧箱などは甲殻類アレルギーの方には有難迷惑になりかねません。

醤油味1種類なども単調ですよね。

何事も一点集中だと外した時のダメージが大きいです。保険をかけましょう。

数種類入ったものであれば、どれかは気に入っていただけるかもしれませんよね。

お詫びの品の価格帯は¥800〜¥10000程度。

軽度の謝罪であれば¥1000くらいで充分 誠意が伝わります。

ことの大小に応じて選びましょう。

手みやげはあくまでも「お時間をとっていただいたことへのお礼」。

ですが、やはり名前の通った老舗のお菓子などは本気度が伝わりやすいです。

「重く受け止める」という意味合いで手に持って重たく感じる菓子折りを選ぶとよいという説もあります。

夏であれば水ようかん・ゼリーの詰合せセットなどもいいですね。

また、奇をてらったものは避けましょう。

定番の商品を選ぶのが無難です。

「切腹●●」など、相手の方がご立腹の場合は逆効果。

お詫びの品物をお渡しするときには…

お詫びにうかがう時には清潔感のある髪型と服装で。

「急いで対応している」ことを表すために仕事着のまま、という人が多いです。

ただし、身だしなみだけは整えましょう。

深刻な場合、派手な色の服装はひかえた方がいいですね。

まず、おじぎをして口頭でお詫びの言葉を述べます。

「この度は大変ご迷惑をおかけしました。お時間を取っていただいて申し訳ございません。」

「これは心ばかりなのですが…」「気持ちばかりの品ですが…」などの言葉をそえてお渡ししましょう。

手みやげをお渡しするのは謝罪を受け入れてもらったあとです。

持参するときには風呂敷に包むのが大人のマナー。

購入したお店の紙袋ですませる場合は、お渡しする際に必ず袋から出しましょう。

風呂敷は包装紙と同様に落ち着いた色合いのものがいいですね。

謝罪を断られた場合は無理に押し付けず、いさぎよく持ち帰りましょう。

のしと水引について簡単に解説!

「御盆礼」につかうのし紙は?の記事でも書きましたが、

贈答品を巻くように包む紙は本来、「かけ紙」といいます。

掛け紙 贈答品を巻くようにして包む紙。多くは熨斗(のし)や水引が印刷されている。

『明鏡国語辞典』より

「のし」は水引の上にある六角形の飾りを指す言葉。

現在、「のし」のついていないかけ紙、弔事用のかけ紙などもひとくくりに「のし紙」と呼ぶ方が多いです。

通りがよいため、当ブログでも「のし紙」という言葉を使っています。

もず
もず

近年、贈答品を扱ったお店でも「かけ紙」は水引・のしのないデザイン性の高い紙を指すことが多いです。

まず、「のし」とは『大辞林』によると以下の通り。

〈熨斗〉「伸し」と同源。

①「火熨斗」(ひのし)の略。

②「熨斗鮑」(のしあわび)の略。

③贈答品に付ける飾り物。②が形式化したもの。色紙を細長い六角形に折り、中に熨斗鮑の小片あるいは黄色い紙を貼ったもの、また、その形を印刷したもの。単に「のし」と書いたものなど。

昔、干した鮑が貴重品だったときには神事に使われていました。

干した鮑を紙で包み、贈答品に添えると「より丁重な贈り物」になるのはそのためです。

現在では本物の干し鮑を用いず、色紙の飾りや印刷で代用しています。

おめでたい時に使われる飾りです。

「水引」(みずひき)は『大辞林』によるとこう書かれています。

①こよりに米糊(のり)を引いて干し固めたもの。

②①を三本または五本並べて固めたもの。贈り物の飾りひもとする。慶事・弔事など用途に応じて、用いる色や結び方に決まりがある。

図の左側が蝶結び(花結び)、右側が結び切りです。

蝶結びはすぐにほどけることから「何度繰り返してもいい」おめでたいことに使われる水引。

一方、結び切りは一度結ぶとほどけないことから「繰り返したくない」事柄に使用されます。

弔事では水引の色が黒白か黄白の結び切りなのはそのためです。

また、結婚など「できれば一度きりが良いこと」にも結び切りが使われます。

結婚に使う場合は紅白結び切り10本、と水引の数が多くなりますね。

程度が中程度から重度のお詫びの品に結び切りが使われるのは「二度とご迷惑をおかけしません」「繰り返さないように気を付けます」という意味になります。

ま と め

お詫びの手みやげに使われるのし紙(かけ紙)はお詫びの程度によって変わります。

非常に軽いものであれば紅白蝶結び・結び切り のしつきでも構いません。

中程度から重度の場合は紅白結び切り のしなし、または奉書紙を用いましょう。

表書きは「御挨拶」「粗品」「お詫び」「深謝」「陳謝」など。

場合によって使い分けましょう。

時々、お客様の中に「なんでもいいから一番重たい言葉を」というご依頼を受けます。

ですが、これはよくありません。

相手の方が「場合にそぐわない」と感じては元も子もありません。

表書きはしっかり選んで下さい。

お ま け

 最後に、個人がお店で頼むことは少ないけれどもらう機会が多い「お詫びの品」について書いておきます。

スーパーマーケットやドラッグストアなどで、購入した商品に不具合があった時。

商品交換や返金をすませたあと、お店の方からちょっとした「お詫びの品」を頂くことがありますよね。

サランラップだったり、タオルだったり…。

水引を使うには大げさな場合には「赤の帯紙」「赤一本」と呼ばれるかけ紙が使われます。

ちょっとしたお詫び以外では景品、賞品、記念品に使われることも。

上の写真は先日、某スーパーマーケットで野菜が傷んでいたため、商品交換をしていただいた際に

手渡されたもの。

表書きは「粗品」。

簡単ですが、のしもついていますね。

 失敗は誰でもするもの。

大切なのはどうやって挽回するかです。

気を取り直していきましょう!

【参考文献】

『高島屋のしきたり事典』(小学館 2015年4月6日)

『図解 日本人なら知っておきたいしきたり大全』岩下宣子(講談社 2019年11月27日)

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