お見舞いに使うのし紙を元ギフト販売員が解説【一目で分かる写真つき】

マナー本

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近しい人やお世話になった方が病気やけがで入院された時、手土産を持ってお見舞いにうかがうのが通例です。

「持って行く品物にどんなのし紙をつけたらいいの?」

「目上の方に金銭を贈るのは失礼?」

「難しいことは分からなくていいから、使うのし紙だけ簡単に教えてほしい!」

そんなお悩みに元ギフト販売員がお答えします。

この記事を読むとこんなことが分かります。

  • お見舞いの品につけるのし紙の種類
  • お見舞いの品に向いているもの
  • お見舞いのタブー
  • お見舞いの品の返礼品につけるのし紙と表書き

写真つきで解説しているので一目でわかります。

お見舞いの品物につけるのし紙は?

 お見舞いの品物にのし紙(かけ紙)をつける場合、紅白5結び切り・のしなしを使います。

結び切りは「二度と起こってほしくないこと」の時に使う水引です。

病気やけがのお見舞いは慶事ではないのでのしはなし。

慶事の際に使うのし紙の右上にあるひし形のものは「のしあわび」と言っておめでたい時につけるもの。

古くは本当に干したあわびを使っていたため、この名称がつけられています。

その名残から海産物や肉類の贈り物には付けないのが一般的。

お見舞いの品にも「生臭もの」はさける意味からのしは付けないのですね。

重篤なご病気やけが、深刻な場合には「水引なし・のしなし」の奉書紙(ほうしょがみ)を使ってもよいでしょう。

奉書紙は裏と表があります。つるっとした質感の方が表です。

お見舞いで目上の方に金銭を贈ってもよい?

 普段は目上の方に金品を贈るのは失礼にあたるとされています。

ですが、結婚、葬儀、お見舞いは例外。

贈っても問題はありません。

使う金封はのしなしの「赤一本」。

または白い無地の封筒でもいいです。

表書きは「御見舞」、目上の方には「祈 御全快」「祈 ご本復」「御伺」にします。

金額は親族であれば1万円、友人や会社の関係であれば5000円〜1万円とされています。

お祝い事ではないので新札を使う必要はありません。

金封を包む袱紗(ふくさ)は紺色や紫色など落ち着いた色で無地が無難です。

お見舞いの品物に向いているもの・タブー

 お見舞いにうかがう時には必ず、ご本人やご家族の許可を頂いてからにしましょう。

せっかく訪ねても「面会謝絶」の場合があります。

また、面会時間は事前に病院に確認しておきましょう。

特に2020年からこちら、どの病院も面会には厳しくなっています。

面会時間は30分以内にさっと切り上げる配慮が必要ですね。

お見舞いにうかがうときの服装は清潔感のある、落ち着いた色調のものがいいですね。

香水やコロンはもちろん、強い香りの柔軟剤を使った衣類も避けた方が無難です。

香料アレルギーの人がいるくらいです。気を付けた方がいいですね。

お見舞いの品には入院生活に役立つものとして寝間着、タオル、パジャマ、せっけんがいいとしているマナー本が多いです。

ですが、それらの品物はご家族が用意されるのが普通。

はりお菓子や果物、入院している時間を楽しく過ごせる本などがいいでしょう。

お菓子は常温で保存できる、日持ちがするものが一番。

おせんべいやおかき、クッキーなどの焼き菓子は完全個包装のものがいいですね。

いずれにしても、その方に食品アレルギーや食べられないものがないかご家族に尋ねてから選ぶと失敗がありません。

大部屋の場合、周囲の人におすそわけすることがあります。個包装が便利です。

お見舞いの品物にはタブーがあります。

まず、鉢植えの植物。

土に根をはったものは「根つく」が「寝付く」に通じることから避けた方がいいとされています。

また、椿の花、さざんか、シクラメン、シネラリアの花はNG。

椿とさざんかは「花首が落ちる」ことから、シクラメン、シネラリアは「死」「苦」をイメージするところから縁起が悪いとされています。

そもそも、最近では生花自体が持ち込み禁止の病院が多いです。

お花を贈る場合は注意しましょう。

最近では水を交換する手間のかからないプリザーブドフラワーが人気ですね。

プリザーブドフラワーも一部の病院では禁止されているとか。

ご購入を検討されている方は事前に病院へ問い合わせておきましょう。

お見舞いに行けなかった・入院を後で知った時は?

 忙しい現代人、時間がとれずお見舞いに行けないことは多々あります。

また、入院された方が周囲に知らせていなかったため、のちに知るという場合があります。

そういった場合には退院やご快復をお祝いする体でプレゼントを贈るといいですね。

使うのし紙は紅白5本結び切り・のしつきです。

表書きは「祝 ご全快」「祝 ご退院」などです。

お見舞いの返礼品につけるのし紙

 さて、今までお見舞いにうかがう側ののし紙について紹介してきました。

次に反対に、御見舞を頂いたときの返礼品につけるのし紙について解説したいと思います。

退院した時、報告とお礼を兼ねて贈り物をするのが一般的です。

 お返しする時期は退院・床上げしてから2・3週間後とされています。

お返しする商品の目安は御見舞の3分の1〜半額程度。

使用するのし紙は紅白5本結び切り・のしつき。

表書きは「快気内祝」「快気之内祝」「退院内祝」「退院之内祝」「全快祝」など。

それぞれ、状況にあった表書きを選びましょう。

病気が長引きそうだけれど、お見舞いのお礼をしておきたい場合には「御見舞之御礼」という表書きにします。

お見舞いの品物とは違い、こちらはおめでたいことなのでのしがつきます。

お世話になった病院や施設のスタッフにお礼をする場合ののし紙

 入院中にお世話になった医師や看護師、施設のスタッフさんたちにお礼をしたい場合がありますよね。

そんなときには紅白5本蝶結び・のしつき。

表書きは「御礼」です。

退院するとき、ご家族がご挨拶として持参されることが多いです。

医療関係の方々はお忙しいので、ゆっくり座って昼ごはんや間食をとれないことがあります。

お菓子を贈る場合はやはり日持ちのする、温度管理の手間がいらないものが一番です。

個包装で、休憩時間中にさっと食べられるものを選ぶとよろこばれます。

治療の甲斐なく他界された場合にも、紅白5本蝶結びののし紙を使います。

これはそもそも、病院が病気やけがを治療するところであるから、

弔事用の包装紙やのし紙を使わないという意味があるそうです。

ただし、ご家族のお気持ちから紅白5本蝶結びを避けられることがあります。

その際には水引やのしがついていない奉書紙や杉紙をおすすめしています。

紅白はおめでたい時の色、と考えられる場合にはこちらがいいと思っています。

かけ紙や表書きはご自分の気持ちにしっくりくるものが一番です。

お見舞いは、贈る側も贈られる側も気を遣うものです。

お互いの気持ちをおもんぱかったやりとりが出来るといいですね。

あなたの大切な方が一日も早く回復されますように。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

少しでも参考にしていただけるとうれしいです。

【参考文献】

お見舞いのしきたりが一番詳しいのはこちら。

高島屋のしきたり事典

▼奉書紙の使い方は伊勢丹が詳しいです。

よろしかったらこちらもどうぞ。

▼新潟で御中元の時期に使われる「御盆礼」という表書きについて書いています。

「御盆礼」に使うのし紙は?プロ3人に訊いてみました!

▼ひとくちに「お寺に持参する菓子折り」といっても数種類のかけ紙があります。

お寺に持参する菓子折りに付けるのし紙は?ギフト販売員が解説!

▼人間には失敗がつきもの。お詫びの品に付けるのし紙について解説しています。

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