『デップVSハード』は炎上商法?偏った内容とその理由について考察【Netflix】

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映画『炎の人 ゴッホ』『モンパルナスの灯』を観てゴッホやモディリアーニについて理解した気になる人がいたとしても害はありません。

ふたりとも100年以上前に亡くなっているため、子孫や研究者が眉をひそめて苦笑いする程度でしょう。

ですが、存命中の人と実在の事件を扱っていたとしたら?

風評被害は大きくなります。

この記事ではそんな危険をはらんだNetflix番組『デップVSハード』について考えたいと思います。

  1. 事の発端 2022年の名誉棄損裁判
  2. Netflix『デップVSハード』の内容
  3. Netflix『デップVSハード』で語られなかったもの
    1. 裁判の争点 実はジョニー・デップが家庭内暴力の被害者
    2. 実は、陪審員の層はアンバー・ハード側に有利
    3. デップ側の証人がルール違反(裁判動画の視聴)で退場
    4. アンバー・ハードの人柄
      1. 元付き人の顔面につば吐き&暴言
      2. デップが暴行を訴える録音テープを聴いてニヤニヤ笑う
      3. 言っていいことと悪いことの区別がつかない
      4. 聞き苦しいほどに口が悪い
      5. アンバー・ハードは人間関係が長続きしない
      6. 悪いことは全て他人のせい
    5. ジョニー・デップがアンバー・ハードの顔を見ない理由
    6. アンバー・ハードがパパラッチにリーク?
    7. DV被害の証拠写は画像加工ソフトが使われている可能性
    8. 警察が暴行の痕跡を認めなかった
    9. アンバー・ハードには医療機関の治療記録がない
    10. 寄付金の大部分は未払い&イ―ロン・マスクがちょっと負担した
    11. 裁判官の言葉を無視して途中退出?
    12. ネットは「ジョニー・デップのファンばかり」に違和感
    13. ジョニー・デップに有利な証拠が裁判で使われていない
    14. ジョニー・デップに「権力」はあるのか?
    15. ジョニー・デップ イギリスで負けたのはなぜ?
  4. Netflix『デップVSハード』はなぜ作られた?
  5. まとめ

事の発端 2022年の名誉棄損裁判

2022年4月。

YouTubeを立ち上げて、ぎょっとしました。

動画の急上昇ランキングが、ジョニー・デップと元妻アンバー・ハードの裁判動画で埋め尽くされていたからです。

「え、あのふたり、ずっと前にも裁判していたよね?」と思った日本人は多かったはず。

アンバー・ハードが、離婚後ワシントン・ポスト紙電子版に文章を寄稿。

アンバー・ハードは「私は性的暴行を告発した被害者」「加害者が罪を逃れるのを見てきた」と記載。

ジョニー・デップの名前こそ書かれていませんでしたが、連日のニュースを見ていたアメリカ国民には誰を「加害者」と呼んでいるのかは明らか。

ジョニー・デップがこの記事を名誉棄損としてアンバー・ハードを訴えることになりました。

するとアンバー・ハードもジョニー・デップを反訴。

争いの場所はワシントン・ポスト紙の印刷所がある米バージニア州フェアファックス。

片田舎にある裁判所でハリウッド俳優同士がお互いに「名誉棄損」で訴え合った裁判に、報道陣やファンが詰めかけました。

裁判はネット公開され、連日世間を騒がせることになります。

泥沼裁判の結果、2022年6月、ジョニー・デップ側が勝訴して幕を閉じました。

ふたりは控訴しましたが、その後、アンバー・ハードが和解金を支払うことで決着をみたようです。

Netflix『デップVSハード』の内容

ドキュメンタリーのような形で作られた『デップVSハード』は三部構成。

  • 試される真実
  • ネットの狂騒
  • 飛び交う判決

というタイトルがつけられています。

裁判のきっかけからふたりの馴れ初め、結婚生活の問題点、離婚、裁判、判決までが描かれています。

奇妙なことに、ジョニー・デップ側の問題点にだけフォーカスされているんですね。

  • ジョニー・デップは、本人も認めるアルコールと薬物の依存症
  • 不安定な家庭に育ち、10代で薬を飲み始めた過去がある人物
  • 激高しやすく、物に八つ当たりする性格
  • アルコールが入ると記憶が飛び、暴力をふるいかねない人

実際に、自宅の食器棚を強い力でバタン!と閉め続ける動画を見ると「この人、かなりヤバイ」と思いますね。

嫉妬深く、若く美しい妻の浮気を疑い暴言を浴びせる初老の男。

そんな描写が続きます。

ジョニー・デップは危険人物ですが、ハリウッドで大成功を収めた俳優。

金に物を言わせて優秀な弁護団を雇い、徹底抗戦。

熱狂的なファンがネットで彼の支持を表明し、大騒ぎ。

アンバー・ハードを中傷し続けたことで陪審員と裁判官に影響を与えて、勝訴した―そんな風に見えるように作られています。

いや〜、これだけを観たら「アメリカの司法はひどい!」「ジョニー・デップは人間のクズ」「アンバー・ハードがかわいそう」と思う人が続出しますよね。

実際にX(旧Twitter)を見ていると裁判を観ていなかった層がそんな感想を書いています。

ですが、もちろん事実はそんなに簡単ではありません。

Netflix『デップVSハード』で語られなかったもの

まず、『デップVSハード』から抜け落ちているものについて拾っていきましょう。

裁判の争点 実はジョニー・デップが家庭内暴力の被害者

『デップVSハード』では「ジョニー・デップがアンバー・ハードに暴力をふるったか」ばかりが取り上げられていましたね。

ですが、実際の裁判で争点となったのは「アンバー・ハードがジョニー・デップに対して家庭内暴力を行っていた」こと。

だからこそ、裁判の初めにジョニー・デップの幼少期、家庭環境が延々と語られるんですね。

母親の暴力に耐えていた父親、それを見て無力感にさいなまれていた子供時代、結局、耐えられなくなった父親は家を出て、ジョニー・デップはうつになった母親の世話に追われることになります。

母親の暴力・暴言が終わるのをひたすら待っていた少年時代のジョニー・デップ。

アンバー・ハードの暴力・暴言からも「逃げる」ことを選んでいた―。

マッチョの国、アメリカの映画スターとして、とても勇気のいる発言です。

アンバー・ハードは過去、恋人にケガを負わせて逮捕されていますし、ジョニー・デップが指にケガを負った時の音声データ(「ごめんなさい!あなたを傷つけるつもりはなかったの!」)が残っています。

ジョニー・デップはこの時、病院で治療を受けています。

指のケガ以外でも録音は複数あり、デップは毎回逃げ、アンバー・ハードから「逃げるな」と言われていますね。

デップ側の主張は物証がある(録音・録画・治療記録)のが、ハード側とは決定的に異なる点ですね。

アンバー・ハードがジョニー・デップに「私はあなたにパンチはしていないわ、ぶっただけよ!」とか、「ぶったのはわざとだけど、ドアをぶつけたのはわざとじゃないわ」とか言う音声が証拠として提出されています。

実は、陪審員の層はアンバー・ハード側に有利

「ネットはデップのファンばかり」「裁判所の前はデップファンで埋めつくされていた」

裁判がデップ側に有利だったかのように印象操作されていますが、実は陪審員の「層」はアンバー・ハード側に有利だったようです。

デップの弁護士カミーユ・ヴァスケスが「自分たちは女性が多い方が有利だった」と語っています。

理由は「女性は本能で嘘をついている人を見分けることができるから」(笑)

ですが、ふたを開けてみれば陪審員は若い男性ばかり。

デップ側は、男性が多い場合、アンバー・ハードが泣けば同情されるのでは?と心配していたそうです。

デップ側の証人がルール違反(裁判動画の視聴)で退場

裁判3日目、ジョニー・デップのアシスタント・友人の奥様ジーナ・デュータースは証言の途中で退場しています。

それは、彼女が裁判の動画を観ていたことが原因。

証人は裁判の進行・他の証人の発言を聞いてはいけないという規則を破ったんですね。

証人「失格」となり、証言は削除されました。

これは相当な痛手ですね。

ジーナさん、きれいでかわいくてきさくな女性だったで残念でした。

普通の人間が「世紀の裁判」に巻き込まれて、裁判を観てはならないというルールを失念していた様子。

ですが、これは「法のプロセス」が厳格に守られていたことの証(あかし)です。

また、ジョニー・デップは弁護士団が超優秀だったから勝てた、わけではないことの証拠でもあります。

裁判中、専門家がテレビ中継で「誰が彼女に裁判の様子を見てはならないと注意しなかったんだ?」

「破壊的」「大きな失敗」と散々、弁護士団を批判していました。

私もジーナさんは動画で見ただけで「かわいくて、常識的なので裁判の証言台に立つプレッシャーがすごそう」と思いましたよ。

こういう真面目な人には再三、釘を刺していないと裁判動画を観て証言の練習しますよ。(笑)

デップ側の弁護士団は間違いなくとても優秀ですが、『デップVSハード』で描かれていたよりも血の通った人間らしい集団です。

「黒」を「白」に変える魔法を持った悪の集団ではありません。

この裁判に臨む弁護士団の苦労話は、「プロジェクトX」みたいで日本人なら感動すること間違いなしなので、判決後のインタビューを観てほしいですね。

この裁判で一躍有名になったカミーユ・ヴァスケス弁護士。

チームワークによって支えられていた、仲間がいるから頑張ることができた、と語っています。

アンバー・ハードの人柄

元付き人の顔面につば吐き&暴言

アンバー・ハードの元付き人ケイト・ジェイムズ。

アンバー・ハードのそばにいた人物ですが、デップ側の証人として出廷しています。

彼女の話を聞けば、理由はよく分かります。

ケイト・ジェイムズは昇給を願い出たとき(相場の半額)、アンバー・ハードに暴言とつばを浴びせかけられたことがあるんです。

ドン引きしますね。

ケイト・ジェイムズはジョニー・デップとは友好な関係で、会えば楽しく会話をしていたそうですが、アンバー・ハードが現れると中断。

アンバー・ハードはケイト・ジェイムズがジョニーと口をきくと睨んでいたそうです。

ケイト・ジェイムズはアンバー・ハードがアルコールと薬物にかなり頼っていたことも証言しています。

デップが暴行を訴える録音テープを聴いてニヤニヤ笑う

裁判で提出された動画のひとつに、離婚調停時のものがあります。

デップがアンバー・ハードに殴られ、ドアで頭を打たれたときの音声を、アンバー・ハードが弁護士事務所で聴いている時の映像です。

動画でアンバー・ハードは何かを口に入れながら、手についた粉(砂糖?)を払い、ニヤニヤ笑い。

挙句の果てに白目をむいてふざけています。

そして「彼はちょっとしたことで大げさに騒ぐのよね〜」と発言。

これを見たカミーユ・ヴァスケス弁護士から「あなたは人が暴力を受けるのが楽しいんですか?」と訊かれています。

言っていいことと悪いことの区別がつかない

夫婦でも、家族でも言っていいことと悪いことがあります。

ある言い争いの録音でアンバー・ハードはジョニー・デップのご子息ジャックくんの名前を出して、ジョニー・デップにあてこすりを言っています。

これは酒に酔っていようが、薬でラリっていようがアウト!

その場の喧嘩に関係ない、親や子供の名前は出しては駄目。

人間としてどうかと思います。

また、ジョニー・デップに「クソ俳優」「すたれた俳優」「終わってる」「男じゃない」を連発。

えっ?あなたもあなたの妹も友人の居候もジョニー・デップのお金で生活していたんですよね??と訊きたくなりますね。

聞き苦しいほどに口が悪い

裁判で証拠の録音が流されてぎょっとしました。

放送禁止用語の連続。

私は現在、50歳を過ぎていますが、こんなに汚い言葉を遣う女性は初めて知りました。

カミーユ・ヴァスケス弁護士がかわいい顔で

「あなたはデップさんに〇〇〇〇を〇〇〇〇と言っていますね?」と質問するシーン、傍聴席の人々は顔がこわばっていましたね。

アンバー・ハードが「私たちはふたりとも醜い言葉を遣っています」と返すと、

「醜い言葉を遣っているのはあなただけですよ」と釘を刺されていました。

正確に言えば、最初に汚い言葉を遣うのはいつもアンバー・ハード。

ジョニー・デップは、アンバー・ハードが汚い言葉を遣うと釣られるように同じ言葉を返します。

まさに「売り言葉に買い言葉」。

アンバー・ハードは人間関係が長続きしない

また、彼女側の証人たちはこぞって「(昔は友達だったけれど)今は友達ではない」と発言しています。

アンバー・ハードは交友関係が長続きしない人物のようです。

居候していた妹や実の母親にもつらく当たっていたようですね。

カミーユ・ヴァスケス弁護士はアンバー・ハードを「橋を燃やす人」と評しています。

「burn bridges」

すぐに縁を切ってしまう人、後戻りできない立場に身を置く人、人間関係を壊す人に使われる比喩。

わかる気がします。

悪いことは全て他人のせい

裁判中、自分に不利な証拠が出てくると

「これは先にジョニーがやったから…」

「私は彼を守るために…」

「彼の弁護士が私を貶めるから…」

と繰り返したアンバー・ハード。

顔にあざがある写真を雑誌にリークしたか問われて、

「私の弁護士が勝手に!」と主張しました。

これにはカミーユ・ヴァスケス弁護士も苦笑しながら

「あなたの許可なく、弁護士が勝手に行動したのですか???」と訊き返していましたね。

多分、これを見た多くの人は「彼女のために仕事したくない」「彼女と一緒に働きたくない」と思ったでしょうね。

ジョニー・デップがアンバー・ハードの顔を見ない理由

裁判中、ジョニー・デップは一度もアンバー・ハードの顔を見ていません。

いつも顔を下に向けて、俳優らしからぬ態度で臨んでいました。

終始、顔を上げているアンバー・ハードに対し、うつむいているジョニー・デップ。

『デップVSハード』だけを観ていたら、「ジョニー・デップは自信がなさそう」と思いますよね。

彼の所作についてデップ側の弁護士から問われたアンバー・ハードは「加害者で、やましいからでしょ!」といった趣旨の返答をしていますが、違います。

接近禁止命令を取り付けた時、アンバー・ハードはジョニーに「最後にハグをして!」「触らせて!」と頼みました。

ジョニー・デップが「こんなことをしておいて、狂っている!」と怒り「君は二度と俺の目を見ることはない」と叫んだ音声が残っています。

ジョニーは自分がした「約束」を律儀に守っているだけ。

もう二度と、アンバー・ハードの目は見ない、と。

この音声は裁判動画にあるので、興味がある方はぜひ、聞いてみてください。

アンバー・ハードがパパラッチにリーク?

ジョニー・デップが家具に当たる動画はもともと、TMZに送られたもの。

証人によると送られてくる動画は著作権の関係から、送り主・身元をしっかり精査するのが習わしだとか。

ですが、この動画は送られてきて15分で公開されています。

証人はリーク元を暴露できませんが、この15分と言う数字は「本人に送られた時」のものだとか。

誰が送ったかは明らかですね。

また、当時の動画はとても短く編集されていてアンバー・ハードがにやにやしながらカメラを設置する場面は映っていなかったそうです。

この証人は2016年にアンバー・ハードかそれに近しい人物から裁判所に現れる日時をリークされ、右の頬にあざがあるから写真を撮れと指示されたとか。

DV被害の証拠写は画像加工ソフトが使われている可能性

デジタル画像の専門家ノーバート・ニューマイスターが出廷。

アンバー・ハードがDVの証拠として提出した写真について証言しました。

彼女の顔や体についたアザを撮ったものです。

「iPhoneで撮ってWindowsに取り込み、画像編集ソフトを使って作られた」可能性を示唆しています。

断言できないのはその写真がスクリーンショットに過ぎないから。

専門家は「普通、被害者は何年たっても実物(携帯電話など)を提出するもの」

「今回出された写真では何の判断もつけられない」と言っています。

デップ側の弁護士はこれでは証拠として弱いと考えたのか、アンバー・ハードが「暴行を受けた」と主張する日付直後の写真を入手。

すべての写真でアザやケガが認められませんでした。

アンバー・ハードは化粧で隠した、と主張しましたが、多くの女性が疑ったはず。

第一、キズのある部位には使用してはならないって化粧品のパッケージに書いてあるし…。

警察が暴行の痕跡を認めなかった

アンバー・ハードからの通報で家に訪れた警察官。

DVのプロは、アンバー・ハードは泣いたために顔が紅潮しているが、ケガはないとしています。

アンバー・ハードには医療機関の治療記録がない

アンバー・ハードは「鼻の骨が折れた」「歯が出るほど唇を殴られた」と語った時にも病院に行っていないため、治療記録がありません。

普通、暴行を受けた被害者は病院で診てもらいます。

ちなみに私は顔と腹部に暴行を受けたことがありますが、警察・病院に行きましたよ。

しかも派出所と警察署に相談という形をとりました。

病院での診断は医師には守秘義務があるため、こちらが訴えない場合にも秘密が漏れる心配がありません。

さて、裁判に証拠として出されるかも、というときの医者はとても慎重です。

詳細を聞かれ、暴行を受けたときの動きを再現させられました。

医師とは知り合いでしたが、この時だけはかなり事務的に順を追って詳細をたずねられましたね。

私の場合、本当に顔にあざがあったのですが、

「殴った人の利き手は?普通、こっちで殴る?」とか突っ込んだ質問をされましたね。

これは世界共通だと思いますね。

アンバー・ハードが医療機関を避けたのはこうしたやり取りをしたくなかったから?とかんぐってしまいますね。

ジョニーを守りたかった??いや、だから医者には守秘義務あるって。

しかも、そんな考え方の人は夫の家で不倫しないし、何人も勝手に居候させないし、ネットに夫の動画をリークしないって。

寄付金の大部分は未払い&イ―ロン・マスクがちょっと負担した

『デップVSハード』ではデップからの慰謝料を全額寄付していなかった問題で、「寄付」と「誓約」の言葉に焦点を当てていましたね。

それは問題のすり替えです。

実際は1/10しか払っていないものを「すでに払った」という人間性の問題です。

しかも、団体から催促された時に「困窮して払えない」と言っています。

後にいくらか支払われましたが、アンバー・ハード本人ではなく恋人だったイ―ロン・マスクが払ったことも『デップVSハード』では隠されていましたね。

それでも、アンバー・ハードは取材に対して「離婚で得たお金は全額寄付した」「私は経済的に自立している」と語っていたのですから、神経太いですね。

アンバー・ハードは「寄付をする時間がなかった。ジョニーから訴えられたから」と返答していますが、カミーユ・ヴァスケス弁護士から「入金されてから13カ月も時間がありましたよ」とカウンターパンチを食らっています。

裁判官の言葉を無視して途中退出?

アンバー・ハードは裁判官から「弁護士の隣に座るように」と言われたにも関わらず、法廷を途中退出したようです。

デップ側の弁護士が「長年、弁護士をしているけれどこんなケースは初めて」と話していました。

信頼性が問われる裁判で、これはきついですね。

法廷侮辱罪に問われなかったのが不思議です。

ネットは「ジョニー・デップのファンばかり」に違和感

『デップVSハード』を観ていると裁判中、アメリカのネット社会はデップ支持者があふれていたかのように見えます。

ですが、私は違和感を覚えますね。

確かに一部熱狂的なファンはいたでしょうが、大多数の発信者は裁判の様子を見守って、どちらにつくか判断したのではないでしょうか?

コンテンツを作る人達は多くのアクセスを集めたい、これは万国共通。

一番大きなパイはデップ・ハードどちらのファンでもない層だと思います。

働いている、子育てにしている、忙しくて裁判全てを視聴は出来ないからまとめてほしい―。

そんな人が大多数だと思うんですよね。

「中立」の立場でブログ・動画を作った方が得なんですよ。

みなさんはどうですか?

「ジョニー・デップファン歴40年の〇〇が見た!名誉棄損裁判の全貌」

「アンバー・ハード絶対支持!〇〇の裁判ウォッチング」より、

「【中立的な立場】ジョニー・デップとアンバー・ハードの名誉棄損裁判まとめ」の方をクリックしたくないですか?

私は圧倒的に後者のブログタイトルをクリックしますね。

実際、行動分析をしている方の動画を見ていると「僕はずっと中立の立場で裁判を見てきたけど」「僕はどちらも聖人だとは思っていないけれど」と前置きをしていました。

アンバー・ハードが燃料を投下しすぎましたね。

ジョニー・デップに有利な証拠が裁判で使われていない

『デップVSハード』を観て「でも、ラストにデップに不利な証拠がでてきて終わったよね??」と思っている方がいるかもしれませんね。

この裁判、証言・証拠に関していろいろな取り決めがあったようですね。

アンバー・ハード側の「有利な証拠が提出できなかった」という声ばかりが大きいですが、事実は異なります。

風は一方だけに吹いたのではなく、デップ側にも吹いていました。

ジョニー・デップが指を切断した時、メールには自分で切ったようにとれる文章を書いていましたが、緊急搬送された際に医師にはきちんと「アンバー・ハードに切られた」と伝えていたんです。

これ、わかりますよね?

前述しましたが、こういう時に発する医者の「事実確認」圧力はすごい。(笑)

で、しっかり「記録」として残されました。

ですが、裁判で証拠として提出はできていません。

ジョニー・デップに「権力」はあるのか?

ジョニー・デップに権力があるから、ケイト・モスみたいな証人が続々出てくると言っていたアンバー・ハード。

俳優にそんな権力はあるのでしょうか?

私はジョニー・デップの出演作は『エルム街の悪夢』、『シザーハンズ』から観てきました。

彼のデビュー当時、最も人気があった若手俳優はトム・クルーズ。

その他、チャーリー・シーン、アンドリュー・マッカーシーなど明るく健康的な雰囲気を持つ方々です。

ジョニー・デップは端正な顔立ちながら、孤独で繊細な魂を感じさせる役柄で注目されました。

主流ではなく、あくまでも傍流ですね。

個性派俳優。

彼がメジャーになったとされる『パイレーツ・オブ・カリビアン』も「誰もが知る名作」ではありません。

独自の地位を持って、固定ファンがついていますが「権力者」かと言われると疑問符がつきますね。

素行も良くないし、万人向けのアイドルではない、とデップ側の弁護士カミーユ・ヴァスケスも言っています。

2014年には「最も影響力がない人物」にも選ばれていますね。

ジョニー・デップよりキャリアが長く、多くの名作に出ているリチャード・ギアは、チベットの件でC国批判した後、干されましたよね。

その間、リチャード・ギアが自主製作映画に取り組むしかなかったのは記憶に新しいです。

『愛と青春の旅立ち』『プリティ・ウーマン』『シカゴ』の名優でさえ、この有様です。

俳優の立場って弱いよな…と感じたエピソードでしたね。

ちなみにキャスティング権に関して言えば、ティム・バートンクラスの監督でも思うようにいかない、と彼の本に書いてありました。

実際、ジョニー・デップは前の裁判で負けているので、彼の映画はアメリカでは公開されていないようです。

『MINAMATA〜ミナマタ』、結構いい映画ですけどね。

権力???どこ???

ジョニー・デップ イギリスで負けたのはなぜ?

アンバー・ハードと彼女の弁護士が「イギリスでは勝てたのに」と鬼の首を取ったように言っています。

ですが、あの時、ジョニー・デップが訴えたのは『The Sun』。

アンバー・ハードではありません。

英国と米国では裁判制度が違います。

あちらは裁判官が判決を出しますが、アメリカは陪審員制度。

英国は伝聞証拠も証拠として採用するようですが、アメリカでは異なります。

そして、実は不公平な裁判だったと言われていますね。

判事と『The Sun』は近しい関係だったとか。

いずれにしても、2023年のデップ勝訴で、ちょっと立場が悪くなっているようですね。

アンバー・ハードと彼女の弁護士はトーク番組でイギリスの話を出すたびに、コメンテーターや司会者に「制度が違う!」と切り返されていましたが、どうして学ばないんでしょうね。

Netflix『デップVSハード』はなぜ作られた?

以上、見てきたようにハード側は証拠が乏しく圧倒的に不利。

これでは、弁護士・陪審員が「ジョニー側に説得力がある」と考えても無理はありません。

では、エマ・クーパー監督はなぜこの番組を作ったのでしょうか?

非英語圏で、裁判を追っていない人は信じても、裁判を見た人にはすぐに「偏り」「編集」が見て取れます。

Netflixの本拠地アメリカは裁判をすべて見た人が多いでしょう。

ひとつは監督の思想信条。

きっと彼女は急進的なフェミニストで「女性が訴えたなら証拠が薄弱でも勝訴すべきだった」と思っているのでしょう。

私たち日本人には驚きの感覚ですが、アメリカの一部やハリウッドではこうした考え方をする人が一定数いるようです。

裁判中もそうしたコメントをするアカウントは複数ありました。

特にメディアに多かったですね。

また、エマ・クーパー監督の頭にNetflixの名作ドラマ『アンビリーバブル たった1つの真実』がよぎったのかもしれません。

実話を元にしたフィクションで、批評家・視聴者から高い評価を得ています。

性的暴行を訴えた18歳の少女が、警察に被害を届けたにもかかわらず「作り話」だと取り合ってもらえない、その数年後に犯人が捕まるというストーリー。

 性的暴行の被害者らしからぬ言動、周囲から共感されにくい性格だった少女。

犯行の証拠がほとんどゼロでも、真実を語っていた被害者という設定は作家が好みそうな題材です。

あっと驚くどんでん返しに社会性がプラスできるストーリー。

また、炎上商法もあるのかな?と思いますね。

Netflixの登録者が激減してニュースになったのは2022年。

それから回復傾向にありますが、低価格・CMつきプランができるなど工夫を凝らしています。

炎上させて話題作り、は考えられなくもないですね。

まとめ

結局、人は見たいものしかみない生き物です。

『デップVSハード』の終盤で、ナレーターが「わたしたちは最も好きな人を信じるのだ」と語っていますが、それは監督も同じです。

私もそう。

思い切りジョニー・デップ贔屓ですよ。

ジョニー・デップのファン、というよりティム・バートン監督のファンで彼の作品は長年観てきましたから。

ジョニー・デップには楽しい時間をたくさんもらいました。

『スリーピー・ホロウ』、『チャーリーとチョコレート工場』『ティム・バートンのコープスブライド』大好きです。

『コープスブライド』のメイキング映像でジョニー・デップがタンクトップ姿で声を吹き込んでいるシーンにはのけぞりましたね。

タトゥーがよく見える姿で内気な青年ヴィクターの声を出していてシュールでした。

彼の私生活には興味がなかったのですが、恋人の存在はイメージに直結するので無視できませんよね。

ウィノナ・ライダーはアジア人差別発言で問題になったし、ケイト・モスはジョニーと一緒に器物破損で逮捕されてしまいました。

ちょっと落ち着いてくれないと映画ファンとして困るじゃないですか。

せっかく撮影された映画がPRできなくなったり、お蔵入りになったりする危険がありますから。

だから、バネッサ・パラディと事実婚していた時には祝福していたんですよ。

すごくいいカップルでしたよね。

落ち着いて、お子さんにも恵まれて、聞こえてくるのはほほえましいエピソードばかり。

あの頃は「これで安心」と思っていましたよ。

突然、アンバー・ハードと結婚した時には姉妹や友人と「見た?あのヤバそうな美女!」

「ジョニー・デップといえども年を取ると女性の趣味が…」と笑ったものです。

「あ〜あ、なにやってんの」ですよ。

結果、全然笑えない結果になって本当に残念。

アンバー・ハードは私の想像の3倍ヤバかった。

幼少期の不遇を埋め合わせできるほど幸せで落ち着いた家庭を手にしてほしかったのに。

ジョニー・デップが今回の結婚・離婚で失ったものは大きいです。

私は法廷に提出された証拠のみで判断を下した裁判官・陪審員に敬意を表したいですね。

もしも、アンバー・ハードが本当に被害者だったら?

だとしても、確たる証拠を提出できなかった、裁判官・陪審員に信じてもらえなかったのはアンバー・ハードとその弁護士団の責任です。

アンバー・ハードがアメリカのトーク番組で泣き言をいうたびに、司会者から「どうしてそうなったのか考えないの?」と言われているのは当然。

『デップVSハード』を観て「ジョニー・デップが悪い!」と言うのは映画『フロム・ヘル』を観て「ジャック・ザ・リッパ―の正体はエドワード王子!」と信じるようなもの。

「実在の人物・事件をもとにしていますが、フィクションです」のキャプションをつけてほしいくらいですね。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

【参考動画】YouTube

オリオン星人さんのチャンネル

裁判・インタビューを全て日本語訳してくださっているすごい方。感謝の言葉しかありません。

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