出張で、旅行で新潟に訪れて―。
他県にない、珍しいものをおみやげをお探しの方に
最適なものがあります。
その名も「浮き星」。
ここ数年、知名度が上がり人気を博しています。
フェリシモ(*1)の頒布会さえあるんですよね。
(*1 兵庫県神戸に本社を持つ大手通信販売会社。洋服や雑貨の頒布会が人気。)
外見はほぼ小さな金平糖。
でも、芯はあられでお湯に入れて飲むというユニークさ。
かわいいフォルム、おしゃれなパッケージ、
日持ちがして軽くてかさばらないというおみやげもののお手本のような存在です。
これはもともと「ゆかり」「ゆか里」という新潟独自のお菓子が進化したものなんです。
今回はそんな「浮き星」の魅力に迫りたいと思います。
そもそも、新潟のお菓子「ゆかり」とは?
「ゆかり」と聞くと他県の方は

おにぎりに入れる紫色のふりかけのこと?

シソを乾燥させた、あれ?
別の食品が思い浮かびますよね。
新潟の伝統菓子 ゆかりは甘い砂糖菓子なんです。
実は、大辞林にも記載があります。
①と②は関係ないので省きました。
ゆかり【縁】
③赤紫蘇の葉を乾燥させ粉末にしたもの。
④菓子の一種。香りをつけ砂糖でくるんだあられ。
形は金平糖。
黄色・赤色・緑色があります。
柚子・しそ・抹茶味だそうです。
もっともよく見かけるのはあざやかな黄色の柚子味。
今でも、新潟県内で個人経営の和菓子屋さんに行くと店先で見かけることがあります。
「ゆかり」は「柚香里」とも書くそうなので柚子味がスタンダードなのかもしれません。
下越地方で愛されてきたお菓子で、お湯に入れて浮いてきたあられといっしょに飲むもの。
そのまま食べてもいいそうです。
以前は下越を代表するおみやげものだったそう。

大辞林に載っているくらいだから、昔はメジャーなお菓子だったのね。
現在の新潟では明治屋 ゆか里店さん (新潟県中央区湊町通1-2599)でのみ
製造されています。
明治33年創業の老舗。
金平糖を作るのは、技術と根気が必要なことはよく知られています。
形が同じゆかりも非常に製造工程が難しく、
職人さんの熟練技が必要。
ですが、職人さんは減る一方。
ゆかりの売れ行きも
甘ければなんでも売れた時代とは違い、洋菓子や目新しい和菓子の台頭に押され気味。
作る側も、消費量も減って
このまま消滅するのか…。
まさにゆかりの存在は風前のともしび―。
そんな「ゆかり」を生まれ変わらせる人たちが現れました。
「ゆかり」が「浮き星」に!アレンジされて現代にマッチ
「ゆかり」を販売していた新潟のクリエイト集団hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)
さんが明治屋の店主さんと親しくなったことからゆかりの運命に転機が訪れます。
若い人たちに飲まれなくなってきた「ゆかり」。
けれども「ゆかり」は伝統のあるだけでなく面白いお菓子。
リニューアルして現代人に合うようにしてみたら?
そんな発想から
「ゆかり」の「跡継ぎ」として誕生したのが「浮き星」。
女性が好みそうなかわいいパッケージデザイン、
フレーバーもコーヒーやイチゴミルク、ミントなど現代的なものを展開。
名前もかわいらしくなりました。
これが当たって、現在に至るんですね。
このあたり、とてもいいお話なのでぜひhickory03travelersさんのサイトで
読んでみてください。
こころがあったかくなりますよ。
↑ hickory03travelersさんの浮き星のページです。
現代的に新しくなった「浮き星」の魅力。
それは外観やネーミングだけではありません。
ナチュラルさ、これです。
正直なところ、現代人は「ゆかり」の色にちょっと抵抗あると思うんです。
あの強いイエロー。
いかにも人工着色料でつけましたという蛍光色。
うん?これは食べ物の色?という感じです。
一方、新しくなった浮き星はナチュラルなパステルカラー。
見た目だけでなく実際に自然派です。
上の写真はしょうが味なのですが原材料がシンプル。
裏表示の記載は
【浮き星 しょうがベースの原材料】
グラニュー糖、あられ(国産餅米、水飴)、生姜(高知産

あられだけではなく、生姜も国産!こだわっていますね!
色も個体差があってベージュ色から白まで入っています。
口に入れるものには気を遣う現代生活にマッチしていますね。
ちなみに浮き星の中では色があざやかな抹茶・ミントも着色料は「クチナシ」。
こだわりが感じられます。
「ゆかり」は現在も新潟市や新発田市の和菓子屋さんにおいてあることがあります。
「浮き星」は
hickory03travelers
(新潟市中央区古町通3-556)
新潟駅、新潟市美術館、にいがたふるさと村、マリンピア日本海、
ピカリ産直市場お富さん、
スーパーマーケット原信 河渡・女池店などで販売。
興味のある方は手に取ってみてください。
全色コンプリートしたくなるかわいさ。
おみやげにしてもよろこばれること間違いなしです!
お気に入りの味を見つけてくださいね。
▼他県に住んでいらっしゃる方は気軽に通信販売で購入できます。
九州の友人に贈ったところ、「香ばしい飴湯(あめゆ)みたい!」と好評でした。
ちなみに、新潟市の台所 ピアBandaiのピカリ産直市場お富さんでは別の名前で販売されています。
その名も「あられ金平糖 舞すがた」。(あられこんぺいとう まいすがた)
スタンドパックは「ゆかり」と同じ。
でも、フレーバーは浮き星と一緒。
これは何???と一瞬思いますよね。
商品名が全く違うので裏表示を見たところ、ゆかり・浮き星を作っている明治屋 ゆか里さん。
2022年9月、電話で問い合わせしたところ、中身は浮き星と同じだとか。
「でも、本当の名前はゆかりなんですよ!」と念を押されました。

店主さんの「ゆかり愛」を感じました!
いつの時代になっても、ご自分の扱っている商品に対する愛情と熱意のある職人さんっていいですよね。
心がほっこりしました。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
少しでも参考にしていただけるとうれしいです。
よろしかったらこちらもどうぞ。
新潟にはいろいろなお菓子があるんですよ。
魚の形がかわいい網代焼。日本初の機械づくり米菓なんだそうです。
ユニークな形と名前の豆天。